医療法人 仙台・中耳サージセンター 将監耳鼻咽喉科

Better Hearing より良い聴力を

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マスコミ各社の報道について

赤旗(1991.5.29)

入院なしで鼓膜再生、安全性高く成功率は9割

穴があいた鼓膜を入院せず短時間で安全に修復する方法が開発されました。すでに600例以上手術がおこなわれ、ほとんどの場合聴力が回復し、完全に穴がふさがった人は9割に達しています。仕事や家庭の都合で、入院期間が長い通常の鼓膜修復手術を受けられなかった人に大きな朗報です。
鼓膜は長径約1センチ、短径8ミリのだ円形で、厚さ約0.1ミリの膜。中耳炎など耳の病気のほか、耳かきや平手うち、スポーツなど外傷が原因で鼓膜に穴があくこともあります。穴は多くの場合自然にふさがりますが、細菌感染などでふさがらない場合もあります。
鼓膜に穴があいたままだと、聴力が低下するほか、中耳炎をくりかえしたりします。水泳などもできません。

全身麻酔の必要もなし

従来の修復手術(鼓膜形成術)は、耳の後ろを切開して、筋肉を包んでいる膜(筋膜)をとりだし、それを外耳から鼓膜にかけて皮膚の表面をはがしたあとに移植するというやり方。切開する範囲が広くて深くなることなどから2~3週間の入院が必要です。手術には全身麻酔を必要とする場合が多いため、心臓病や糖尿病などの病気をもっている人は手術を受けられない場合があります。
全身麻酔も入院も必要がない方法を開発したのは、仙台市にある東北労災病院の湯浅涼・耳鼻咽喉科部長ら。湯浅部長らは、生体組織接着剤「フィブリンのり(キーワード)」で、移植用の膜を鼓膜に接着する方法を考案しました。

手術翌日から普通の生活

移植用の膜は、皮膚のすぐ下にある組織(皮下結合組織)を利用し、局所麻酔で手術が簡単にすむようにしました。この移植用の膜を、鼓膜にあいた穴から内部(鼓室)に挿入して広げ、鼓膜の穴に密着させ、接着面の2~3カ所にフィブリンのりを滴下します。フィブリンのりは1~2分で固まり始め、移植した膜はそのまま接着されます。移植した膜に、残っていた鼓膜の血管から、血液が運ばれるようにします。手術に要する時間は、20~30分。当日は入浴や飲酒に注意するだけで、翌日から普通の生活ができるといいます。

安心して手術すすめられる

同病院でこれまで実施した手術例の約9割は、移植した膜が生着し、聴力が回復。完全にふさがるまでにいたらなかった場合でも聴力の改善がみられるといいます。湯浅部長は、「9割成功は予想以上の成果。炎症が非常に強い場合、いったん付いてもまた穴があいてしまうようだ。今後はもっと症例を増やし、どういう場合だめなのかはっきりさせていきたい」と話しています。
この手術法の優れている点は安全性が高いこと。湯浅部長は、「これまで、片方が内耳の障害で完全に聞こえず、もう片方の耳が鼓膜に穴があいていて難聴という患者の場合、失敗したらたいへんなので手術をためらう場合が多かったが、これからは安心して手術をすすめられる」と説明しています。
新しい鼓膜形成術は全国の病院に普及し始めています。現在、同じ方法が、弘前大、東北大、新潟大、慈恵医大、北里大、愛媛大、宮崎医大などの各大学病院や東京の国立病院医療センターでおこなわれるようになっています。

キーワード:フィブリンのり

血液中に含まれる成分からつくられる生体組織接着剤。フィブリンは、血液を固まらせる作用があります。「フィブリンのり」は血液からつくられるため、肝炎やエイズなどの感染の問題があって,以前には使用できませんでした。こうした問題が解決したことから88年に使用が認められ,いまでは組織どうしや骨,血管をつなぐ目的で広く使われています。

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暮らしと健康(1991年8月号)

鼓膜形成術 ”鼓膜の再建が簡単にできる”という記事を読んだ。その手術方法の詳細は

43才の男性。両耳とも慢性中耳炎のため、23才の時に右耳のみ鼓室形成手術をしました。しかし1年くらいでダメになり、右耳はほとんど聴力がなくなりました。近所の耳鼻医は「失敗ですね。聴力は回復しません」とのことです。また、左耳も鼓膜が半分くらいなく、日常、不便を感じています。最近、新聞で「鼓膜の再建が簡単にできる」という記事を拝見しましたが、効果、成功率、適用例など詳細がわからず、手術を受けるべきか悩んでいます。アドバイスをお願いします。 (千葉県 Y.G)

フィブリン糊という生体接着剤を用いた新しい方法。成功率85%、外来で行える。

中耳炎、あるいは耳掻きなどで鼓膜を破ってしまった場合、ふつうは自然に鼓膜の穴は閉じますが、穴が閉じないで残った場合には難聴となります。この難聴は手術(鼓膜形成術)で改善されますが、今までの方法では2週間前後の入院が必要でした。
私は2年半前にフィブリン糊という生体接着剤を用いた新しい方法を考案して、すでに600耳に行い、85%の成功率をおさめています。この方法はほとんどが外来通院で可能という画期的な方法です。昨年3月4日NHKで全国に放映され、また、本年3月3日に朝日新聞に掲載されて以来、全国各地から毎日たくさんの患者さんが来院しています。
右耳の手術を20年前に受けたようですが、その頃は日本で聴力改善の手術が始まって間もない頃で、成績も安定していない時代でした。術後1年で聴力がだめになったとのことですが、その原因が鼓膜の再穿孔によるものであれば、いまの技術で聴力改善が可能かもしれません。しかし、内耳に病気がすすんでしまったのであれば、手術で改善はできません。この判別は耳鼻科専門医で検査を受ければ簡単にわかります。
さて、あなたの左の耳ですが、耳だれがなく、内耳機能がわるくなければ聴力の改善は可能かと思われます。そして、難聴の原因の大部分が鼓膜の穴であれば通院での鼓膜形成術で聴力改善が可能です。
どの程度改善できるかは、鼓膜の穴を綿、紙などでふさいでみるとだいたいの予想がつきます。以前に手術を受けた右の耳も、このテストで聴力が改善すれば手術の対象になります。
あなたのように片側が聞こえない場合には、万が一のことを考え、聞こえの残っている耳の手術は敬遠しがちです。ところが、この新しい方法では聴力が悪化することはまずありえませんから、あなたのような聴力の残っている耳の手術にも安心して適用になります。
手術は30分前後で終わり、その途端に聞こえがよくなり感激の涙をうかべる方も少なくありません。両耳の場合でも同日手術が可能です。
遠方の方は手術当日仙台に泊まられて、翌朝点検し、問題なければ1週間目、1、3、6ヶ月目、1、2年目と、当院もしくは地元の専門医により経過を診ていただきます。処置はほとんど不要で、翌日から就業も可能です。3ヶ月間、問題がなければ,その後は心配ないと思います。一刻も早く聴力が回復するよう願っています。

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週刊朝日:名医が答えるメディカルネット'99(1999.4.23)

「フィブリン糊」を用いた鼓膜形成手術 ~翌々日には仕事も可能に~

東京のある官庁の長であるAさん(51)は幼少時に両耳の中耳炎を患った。その当時、きちんと治療せずに放置していたため慢性化し、両耳の鼓膜に穴が開いてしまい、以来ずっと、難聴に悩まされてきた。手術を受けようかと何度か思ったが、仕事が忙しく、長くは入院できないと、ついつい後回しにしていた。
昨年10月「日帰り手術も可能だから」と知人の医師に紹介され,仙台市泉区にある将監耳鼻科咽喉科/仙台・中耳サージセンターを訪ねた。院長の湯浅涼医師は、東北労災病院耳鼻咽喉科に勤務していた1988年に、「フィブリン糊」(血漿蛋白からつくられる生体組織接着剤)を用いた鼓膜形成術を開発し、日本の日帰り手術の火つけ役となった。
「従来は,全身麻酔で耳の穴から鼓膜にかけて皮膚を広くはがし、そこへ、耳たぶの付け根付近から切り取った筋膜組織を張り付けて鼓膜の形成する手術が主流であった。入院も約1ヶ月と長いし、中耳炎ぐらいでそんなに仕事や家事を休めないと、手術をためらう人が多かったのです」。
湯浅院長が開発した鼓膜形成術は接着法とも呼ばれる。まず、耳の後ろ側から1センチ四方の移植用組織を二枚切り出す。うち一枚を鼓膜の穴から中耳に入れ、周囲をフィブリン糊で張りつける。もう一枚は万一、術後に再び穴が生じた場合に備え、凍結保存しておく。
これらの施術は手術用顕微鏡で10~40倍に拡大して見ながら慎重に行われる。所要時間は一時間以内。局所麻酔だから、患者は術後、一人で歩いて病室に戻れる。
「通院できる地域の人は、異常がなければ、そのまま帰宅も可能です。が、私どもでは遠方の患者さんが多いので、1泊して翌日退院が基本です」
Aさんは初診時に血液検査や聴力検査を受けて手術が可能と診断され、今年1月に手術することになった。
当日は午前11時に来院。聴力検査やCT(コンピューター断層撮影)検査などを受けたあと、午後2時に手術を開始。原則として片耳ずつ手術するが、本人の希望で両耳同時に手術し、午後4時過ぎに終了した。その後の検査で聴力改善が確認され、吐き気などもなかったので、午後6時に夕食をとり、翌朝に退院。翌々日には仕事に復帰した。
このように、接着法は短時間ですみ、周囲の組織への影響も少ないが、術後、まれに出血やめまいが生じることがある。湯浅院長はこれまで約4000例にこの手術を実施し、成功率は95%と高い。
「日帰り手術では術後のフォローが大切です。私どもでは看護婦が退院2、3日後に患者さんに直接電話を入れ、状態を聞きます。重大な異常があれば、ただちに再受診してもらうこともあり得ます。体に負担が少ない手術なので、高齢者にも可能です。長年、難聴で苦しんでいる人はなんとなく暗い顔をしていますが、手術で聞こえるようになると、性格まで明かるくなりますね」。
病変が鼓膜だけでなく耳小骨にまで及んでいる患者には鼓膜形成に加え、鼓室形成が必要なこともある。その場合も、この接着法の導入で手術時間が短縮され、入院も5泊程度ですむそうだ。

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