先天性真珠腫

先天性真珠腫

先天性真珠腫とは、生まれつき鼓室(鼓膜の奥の空間)に鼓膜の表面の組織(角化重層扁平上皮)が存在する状態です。
鼓膜の裏側に限局するものから、乳突蜂巣(耳後部の骨の中)全域に伸展しているものまで、その伸展様式は様々です。耳小骨奇形を伴うこともたびたびあり、発生の過程におけるなんらかの異常が原因と考えられていますが、詳細はいまだはっきりしていません。
真珠腫性中耳炎症例の2~5%が先天性であったという報告があります。

症状

症状耳小骨の異常を伴う場合には難聴が生じますが、それ以外では初期では自覚症状に乏しく、3歳児健診時や滲出性中耳炎の治療時に偶然発見されることが多いようです。
真珠腫が外側に破裂すると耳だれの原因となることもあります。
ごくまれに、顔面神経麻痺が症状として出現することがあります。

治療

他の真珠腫と同様に手術的な摘出が必要となります。
特に乳突蜂巣に伸展している場合、再発の確率は他の真珠腫に比べ高い傾向があり、2回目の手術で再発をチェックする段階手術が必要になることもあります。

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