耳硬化症
耳小骨のうちのアブミ骨周辺が固まると、耳硬化症になります。こうなってしまうと、本来であれば鼓膜を通って内耳に伝わるはずの振動がうまく伝わらなくなり、難聴を引き起こします。耳小骨は音を伝える際に単独で動きますが、耳硬化症になるとアブミ骨の底の方に悪影響を及ぼす骨が現れます。
それが底板まで達するとアブミ骨自体の動きに悪影響を及ぼします。やがて伝音難聴を引き起こし、悪化すると混合性難聴や感音難聴を発症するケースもみられます。日本人には少ない病気といわれていますが、患者様には中年の女性が多く、妊娠・出産後から悪化したという方も珍しくありません。
軽度であれば、アブミ骨の動きを改善させるアブミ骨可動術を行いますが、進行具合によってはアブミ骨の底に孔を開け、人口耳小骨または人口軟骨を入れる手術をすることもあります。
症状
病変が軽度の場合には、アブミ骨の固着による伝音難聴が生じますが、高度な場合には蝸牛機能も障害され混合難聴となります。難聴の進行は比較的遅く、妊娠後に増悪することがあります。
治療方法
手術による治療を行います。固まったアブミ骨の一部(底板)に孔をあけ、そこに人工耳小骨や自家軟骨を留置する方法が一般的です。病変が軽度の場合にはアブミ骨の動きを改善させるアブミ骨可動術を行う場合もあります。
アブミ骨手術
アブミ骨の振動が悪化している場合には、アブミ骨そのものを摘出して軟骨で耳小骨の連鎖を再形成したり、アブミ骨の底板(内耳と接触している部分)に孔をあけて人工耳小骨を挿入したりします。アブミ骨の固着が軽度の場合には、処置によりアブミ骨の可動性を回復させることもあります。
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