耳のかゆみの原因と治療方法

耳がかゆい!そんな時は

概要耳のかゆみという症状がある場合、まずは外耳道炎(外耳道の皮膚が炎症し、耳のかゆみや痛みが出る)が疑われます。外耳道炎は、若い女性がかかりやすい傾向にあり、入浴後などのタイミングで毎日耳そうじをしている人が発症することも多いです。耳垢を全部取ってしまうということは、外耳道の皮膚をコーティングしている防御が取り去るということです。結果として湿疹性外耳道炎を招きやすい状態になります。毎日、耳垢を取る必要はないということを覚えておきましょう。

原因と治療

原因と治療外耳炎になると耳の中に炎症が起きますが、その原因は耳そうじのし過ぎや補聴器の使用にあることが多いです。外耳道(鼓膜の外側)に湿疹ができている場合は塗り薬など、加えて細菌感染で耳だれが出ている場合には内服薬や点耳薬を処方します。
長期間、耳の中のかゆみやジュクジュクする感じが消えない場合は、耳の中で真菌(カビ)が繁殖して外耳道真菌症になっている可能性があります。こうなった場合、耳の中を洗うなどの処置のため、定期的な通院が必要です。悪化するとどんどん治療が長引きますので、速やかに受診してください。

考えられる疾患

外耳炎、外耳道真菌症

外耳は、耳介と外耳道からなり、外耳道は外側半分の軟骨部、内側半分の骨部に分かれます。外耳道には定在菌と呼ばれる細菌や真菌(カビ)が常に存在し、その数のバランスが保たれていると炎症は起こらないのですが、何らかの理由でそのバランスが崩れてある菌だけが増殖していまうと、感染を起こしてしまいます。
外耳炎や外耳道真菌症の原因は、耳そうじなどによる皮膚の損傷、中耳炎からの耳漏刺激、点耳薬などの薬物刺激、アレルギーなどです。
症状としては疼痛、かゆみ、耳だれなどで、炎症による角化物(耳垢)が堆積したり、耳だれが溜まったりすると、難聴や耳閉感を伴う場合もあります。
治療では局所の清掃や消毒を行います。感染が疑われる場合には抗生剤の点耳薬が処方され、真菌が認められる場合は抗真菌剤を使用します。炎症の程度が強いと、ステロイドの局所使用が有効な場合がありますが、これは副作用の点から短期間の使用に限られます。かゆみが強い場合には、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤、抗不安剤などの内服薬が処方されます。外耳炎はまれに治癒までに時間がかかり、頻回の通院による局所処置が必要となる場合もあります。
耳外耳炎の原因の一つに耳そうじのやり過ぎが挙げられます。特に、竹製などの耳かきで何回も皮膚をこすると、皮膚の表面がけずれて滲出液が生じ細菌が増殖しやすくなってしまいます。結果として、耳に強いかゆみが生じ、ますます耳をこするという悪循環が起こります。ごくまれですが、頻回の耳そうじによる慢性刺激が原因と考えられる外耳の癌の報告もありますので、耳そうじはあまりやり過ぎず、入浴後は綿棒で耳の穴の入り口付近をぬぐう程度にしたほうが良いでしょう。

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