突発性難聴
突発性難聴とは突然の蝸牛(内耳)機能低下によって生じる難聴のなかで、原因不明のものの総称をいいます。
考えられている原因としては、血流不足やウイルス感染、自律神経障害などがありますが、はっきりとは証明されていません。
蝸牛機能の低下のため外科的な治療方法では治癒せず、点滴や内服薬などで治療することがほとんどですが、治療しても症状が残存する場合もあります。
症状
突然に生じる一側性の難聴、耳鳴、めまい、耳閉感などです。
鑑別診断
低音障害型では、初期のメニエール病との鑑別が難しい場合があります。
また聴神経腫瘍が原因で突発性難聴のような症状が出現する場合もあります。
外傷などにより内耳内の外リンパ液が漏れ出す外リンパ漏でも蝸牛機能が低下する場合があります。
検査
まず視診で鼓膜の異常の有無、純音聴力検査で難聴のタイプを調べます。
そのほかに、眼振(めまいが生じているときに出る異常な目の動き)を見たり、必要に応じて脳や聴神経に異常がないかを調べるためにCTやMRIを撮る場合もあります。
施設によっては聴性誘発検査(蝸牛機能を調べる検査)をするところもあります。
治療
上記のように点滴や内服による投薬が中心となります。
難聴の程度などにもよりますが、主に用いられるのがステロイドという抗炎症作用のあるホルモン剤です。一定量のステロイド剤を数日間投与した後に徐々に減量してゆく漸減療法が一般的です。低音障害型では自然に軽快する場合もあり、ステロイドを使用しないときもあります。また同時にビタミン剤や代謝賦活剤、循環改善剤、自律神経調節剤なども使用します。その他、星状神経節ブロックや高圧酸素療法を施行する施設もあります。