日本耳科学会は、耳鼻咽喉科の中で耳の疾患に特化して診療、研究されている先生方が発表や議論をする学会です。日本耳鼻咽喉科学会の分科会としては最大規模の学会で、年に1回、各大学が持ち回りで開催担当を務めます。今年は東北大学が担当となり仙台で開催予定でありましたが、3月11日の東日本大震災の影響で止む無く沖縄の宜野湾市での開催となりました。しかしながら、今学会での応募演題数は過去最大を記録し、震災の影響を感じさせない充実した熱気あふれる会となりました。当院からは、慢性中耳炎に対する鼓室形成術の術後聴力成績について発表いたしました。鼓室形成術の術後聴力は、耳小骨の状態により左右され、すべてが成功となるわけではありませんが、全体的には89.8%と約9割が成功例となっております(日本耳科学会聴力判定基準による)。非成功であった残りの1割の患者さまの聴力をいかにして改善させていくか、今後の解決すべき課題はまだまだ存在します。
2011.11.28