第25回日本耳科学会総会学術講演会参加
日本耳科学会は、耳鼻咽喉科領域の中で耳の疾患を中心に診療、研究されている先生方が発表や議論をする学会です。今年は長崎大学耳鼻咽喉科の髙橋晴雄教授が会長となり、長崎ブリックホールにて開催されました。当院からは、軽症の真珠腫性中耳炎に対する新しい術式の報告、そして当院で行っている耳鏡(耳内を観察処置するときに使用する筒状の器具)内での鼓室形成術の際に行う鼓膜形成手技の改良に関する一般口演を行いました。長崎というややアクセスに難がある地での開催にもかかわらず多数の先生方が参加され、それぞれの分野で活発な議論が行われていました。
AAO-HNSF 2015
今年で9回目を数えるアメリカ耳鼻咽喉科学会(AAO-HNSF)での教育講演のために、アメリカはテキサス州ダラスへ兵庫医科大学の阪上雅史教授とともに行ってきました。例年この教育講演は聴講料が必要(前売りで50~60$)でしたが、今回は若い耳鼻咽喉科医に積極的に教育講演へ参加してもらいたいという会長の意向もあり、聴講料は無料となったようです。そのためか我々の講演にも80名近くの先生が参加され、講演後も活発な議論が行われました。講演内容もその時々でのトピックを取り入れているため、初期のころと比べかなり変更されています。最近では耳科手術に積極的に内視鏡が導入されており、我々の鼓膜形成術接着法や接着法を基礎とした鼓室形成術における内視鏡下手術も紹介しました。 来年はサンディエゴ、もし講演申請が受諾されればまた新しい内容を取り入れ紹介していきたいと思っています。
講演終了直後。
(平成27年9月29日、ダラスにて)
ブータンでの第4回ボランティア手術
ブータン王国は、人口約70万人、面積が38400平方キロ(九州とほぼ同等)の小国で、一日2ドル以下で暮らす人が国民の25%を占める後発発展途上国(いわゆる最貧国)の一つです。
3年前より年1~2回、ブータンでのボランティア中耳手術を行っています。今回は4回目で、8月30日~9月4日の6日間、当院院長および副院長の他、久留米大学上田祥久先生、そして兵庫医科大学池畑美樹先生にご同行を賜り計27耳の手術を行ってきました。ブータンへは、タイのバンコク経由で半日~1日弱かかりますので、実際の手術期間は3日間ですが準備も含め約1週間ほどの行程となります。今回は、ブータンの医師にも手術を行ってもらいましたし、手術の介助も現地のスタッフに積極的に参加していただきました。回数を追うごとに彼らの手術の知識や手術に対する姿勢に向上を認め、驚くほどの進歩です。
次クールの3年で、彼ら自身で手術を行うことができるのではないかと考えています。
手術中
病院スタッフ、参加医師、看護師と
第12回耳鼻咽喉科短期滞在手術研究会、第63回日耳鼻地方部会東北連合学会に参加しました。
7月19日は耳鼻咽喉科関係の2つの学会が重なって開催されました。一つは耳鼻咽喉科短期滞在手術研究会で、日帰りや短期滞在で安全に手術を行うにはどうしたらよいかというテーマのシンポジウムで、耳科領域について副院長が発表しました。今回は京都で行われましたが、80名以上の先生方が参加され活発な討議がなされました。
また福島市で行われた日耳鼻地方部会東北連合学会では、桝谷先生が軽症の真珠腫性中耳炎に対する低侵襲的な手術方法に関して発表しました。
第30回Politzer学会に参加しました。
去る7月1日に新潟市で行われた第30回Politzer学会に参加してきました。Politzer学会はヨーロッパの国々を主体とした耳科学の学会で、通常はヨーロッパの都市の持ち回りで開催されますが、今回は新潟大学学長で前同大学耳鼻咽喉科教授の高橋姿先生が会長となり、新潟市の朱鷺メッセで開催されました。そこで副院長が鼓膜形成術接着法を含めた低侵襲性の中耳手術の演題を発表しました。ちょうどMERSが韓国で問題になっていた時期で、来日予定であった韓国の先生の中で出国できずキャンセルされた先生もいらっしゃったようでしたが、それでもinstruction courseや特別講演はもとより、各一般演題ともアジア、ヨーロッパを含めた国際色豊かな参加者で熱心な討議が行われました。昨年ブータンのボランティア手術でご一緒したベルギーのThomas Somers先生にもお会いできて有意義な時間でした。
桝谷将偉医師が着任しました!
4月1日から桝谷将偉医師が当院での勤務を開始しました。桝谷先生は北海道留寿都出身で旭川医科大学を卒業後、脳神経外科を経て北海道大学耳鼻咽喉科にて耳鼻咽喉科専門医を取得しております。このたび、中耳手術の研鑽のために当院で勤務することになりました。とても優しい人柄で話しやすい先生ですので、患者様におかれましてもなにとぞよろしくお願い申し上げます。
水曜日午後の一般外来診療を開始します!
これまで水曜日の午後は手術のため外来休診としておりましたが、本年4月1日より14:00~17:00の時間帯で一般の外来診療を開始します。患者様におかれましてはなにとぞご承知のほどよろしくお願い申し上げます。
ホームページ改訂しました。
タイチームとのブータンボランティア手術
昨年より当院の主導でブータン王国でのボランティア中耳手術を行っておりますが、タイでは以前より自国内はもとより、隣国(ベトナム、ミャンマー、ラオス、ブータン等)でボランティアによる中耳手術を行っており、経験が豊富にあります。今回、このボランティア手術の中心人物であるDr. Phakdee Sannikornより副院長が招聘され、今年の4月26日~5月5日の日程でブータンでのボランティア中耳手術キャンプに参加してきました。
我々のボランティア手術の場合には、首都ティンプーにある国立病院の医師と連携して手術適応となる患者さんを集めてもらっていますが、このタイチームのキャンプは臨時の外来を設置しそこで手術適応となる患者さんを選択するところから始まります。そこで手術適応があればその当日または翌日に手術を行います。3日半の中で、4名の医師(ベルギー、オーストリアの医師(いずれも元大学教授)、Dr. Phakdee、副院長)により75名の手術を行いました。彼らのチームから学ぶところが多々あり、今後の当院のボランティア手術を続けていくうえで貴重な経験となりました。
参加スタッフ(眼科医も6名を含む)
ブータンでの第2回ボランティア手術
ブータン王国は、人口約70万人、面積が38400平方キロ(九州とほぼ同等)の小国で、一日2ドル以下で暮らす人が国民の25%を占める後発発展途上国(いわゆる最貧国)の一つです。東日本大震災の際に、ブータンの国王夫妻が福島に訪れ我々のために祈りを捧げ、ブータン人は被災者の方々と共にあると述べられました。我々はこの国に対しできることは何だろうと考えたときに、やはり我々の持っている中耳疾患に対する医療技術を提供することであろうという結論に達しました。そしてこのボランティアのために、賛同していただいた医師の方々、企業の方々に多大な経済的、人的支援をいただいております。前回、今回と合わせて6日間で50名以上の中耳手術を無償で行いました。今年を含め3年間を1クールとしてこのボランティア手術を継続していく予定です。
病院スタッフ、参加医師、看護師と