乳様突起削開術

乳様突起削開術

乳様突起削開術乳様突起削開術は、真珠腫性中耳炎の場合に、乳様突起(耳後部の骨)内の病巣郭清のために行います。
真珠種は中耳腔~乳突部までに及んでいることが多く、摘出の際には中耳腔内に鼓室を作り、乳突部の解放・清掃のための乳様突起削開術を行います。中耳腔に鼓膜が落ちてしまい、その部分に垢が溜まると真珠種と化していきます。こうなると細菌が繁殖しやすいため中耳炎を発症し、悪臭を伴った耳漏(耳だれ)が起こります。真珠腫は骨や神経を溶かしながら大きくなっていくので、この過程で耳小骨が破壊されてしまうと難聴を引き起こします。そうして中耳周囲の骨まで破壊されてしまうと、めまいや顔面神経麻痺といったさまざまな合併症が起こります。
手術方法には2種類あり、外耳道後壁削除型もしくは外耳道後壁保存型となります。後者の場合、入院や通院が短期間が済み、本来の外耳道を保てることから聴力が得られやすくなります。手術の際は全身麻酔で、まずは耳たぶの付け根を4㎝程度切開し、外耳道の皮膚を周囲の骨壁から剥がして鼓膜や中耳腔内の処置を行います。
次に外耳道後方にある骨を削り、乳突洞を開いていきます。真珠腫を摘出したら、破壊された耳小骨を再建するとともに、鼓膜の陥没を防ぐために軟骨を補強したり、中耳腔が換気できるように整えておきます。そして最後に、鼓膜内陥を元通りにします。

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